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CEOの利用額も全社員に丸見え。LayerXに学ぶ「AI予算の可視化」実践法

CEOの利用額も全社員に丸見え。LayerXに学ぶ「AI予算の可視化」実践法 業務効率化
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LayerXはCEOを含む全社員のAI利用額を公開しています。その狙いと、個人やチームでAIの費用を見える化する3つの手順、主なAIツールの使用量の確認場所と上限設定をまとめました。

ChatGPT、Claude、GitHub Copilot、Cursor……。便利だからと使っているうちに、AIの料金が毎月いくらになっているのか、すぐには答えられなくなっていませんか。個人の副業でも、チームの業務でも、AIの費用は放っておくと見えないところで増えていきます。

モディ

LayerXが社長のAI利用額まで社員に公開していると聞きました。それって監視みたいで、みんな使いにくくならないんですか?

タクヤ

目的は叱ることではなく、「この仕事にはこのくらいかかる」という感覚を全員が持つことだそうです。個人や小さなチームでも真似できる部分が多いので、具体的な手順に落としてみましょう。

この記事の結論

LayerXは、全社員の名前と、誰がどれだけAIのトークンを使い、いくらかかったかを、ほぼリアルタイムで全社に公開しています(CEOの分も含む)。ねらいは査定ではなく、費用の感覚を育てることです。個人やチームなら、①使っているAIと料金を書き出す、②各ツールの使用量の画面を毎月見る、③上限額(予算)を先に設定する、の3つから始められます。

この記事で分かること

  • LayerXがAIの利用額をどう公開しているか
  • 「利用回数」ではなく「費用」で見る理由
  • 個人・チームでAIの費用を見える化する手順
  • 主なAIツールの使用量の確認場所と、上限の設定方法

LayerXの取り組み:社長の利用額まで全社員に公開

ITmediaビジネスオンラインの取材記事(2026年7月9日)によると、バックオフィス向けの「バクラク」シリーズなどを手がけるLayerXは、次のような取り組みをしています。

  • 全社員の利用額を公開:全社員の名前と、月ごとに誰が何トークンを使ったかが見え、金額に換算した費用までほぼリアルタイムで確認できる。共同代表の福島良典CEOの分も含まれる
  • 「回数」ではなく「費用」で測る:多くの企業がAIの活用を「週に何回使ったか」で測る中、最初からトークン代(AIに読み書きさせる文字の量に応じた費用)を指標にしている
  • 予算の10倍でも叱らない:2026年2〜3月にトークン利用が計画の約10倍になったが、経営陣はとがめず、使って分かったことを価値に変えていこうと示した
  • 統制も同時に:上位モデルの利用は、上長と情報システム部門が必要性を判断する申請制

同社のCHRO(人事の責任者)は、公開のねらいを「誰かを怒るためではなく、あの仕事はこのぐらい使うのか、という感覚を持つこと」と説明しています。実際、自分の数字を見て「もっと使っていいんだ」と受け止めた社員も多かったそうです。

LayerXでは、会社の月次の資金残高にあたる数字も全社員が見られるようにしています。AIの費用の公開は、もともとの「経営情報を透明にする文化」の延長にある取り組みです。いきなり真似すると反発が出やすいので、まずは目的を共有することから始めましょう。

Photo: StartupStockPhotos / Pixabay

なぜ「回数」ではなく「費用」で見るのか

AIの費用は、使った回数ではなく読み書きさせた量(トークン)で決まります。同じ1回の依頼でも、長い資料を読ませれば何十倍もかかることがあります。

記事では、過去の商談動画から似た案件を探させると大量のトークンを使う例が挙げられています。対象を絞るか、安いモデルで足りるかを本人が判断するには、「これなら5ドル、これなら20ドル」という感覚が必要で、回数を数えるだけではこの判断力は育ちません。

最近は、個人向けのAIツールも「使った量に応じて料金が決まる」仕組みが増えています。GitHub Copilotは2026年6月からAIクレジット制に、Cursorも含まれる使用量を超えると従量課金になります。個人でも「費用で見る」習慣が役立つ場面が増えています。

個人・チームで見える化する3つの手順

手順1:使っているAIと料金を書き出す

まず、お金を払っているAIツールを、クレジットカードの明細1か月分を見ながら書き出します。スプレッドシートに次の4列を作るだけで十分です。

ツール名 月額 課金の仕組み 主な用途
(例)ChatGPT Plus 20ドル 月額固定 調べもの・文章
(例)GitHub Copilot Pro 10ドル+超過分 月額+従量 コーディング
(例)Claude Pro 20ドル+追加購入分 月額+追加購入 Claude Code

「課金の仕組み」の列が大切です。月額固定のものより、従量課金や追加購入があるもののほうが、気づかないうちに増えやすいからです。

手順2:各ツールの使用量の画面を毎月見る

主なツールの使用量は、次の場所で確認できます。

ツール 確認する場所
Claude Code ターミナルで /usage
GitHub Copilot github.com/settings/billing の「AI usage」
Cursor エディターの設定、使用量のダッシュボード
Codex 使用量の画面、CLIで /status

チームで使う場合は、月末にこの数字を共有のシートに書き写すだけでも、LayerXに近い「見える状態」が作れます。

手順3:上限額(予算)を先に決めて、設定する

見える化ができたら、「月にいくらまで使うか」を先に決めます。従量課金のツールは、多くが上限額を設定できます。

  • GitHub Copilot:含まれるクレジットを超えた分の予算(budget)を設定できる
  • Claude(Pro・Max):追加の使用量(usage credits)の月の上限額を設定できる
  • Cursor:含まれる使用量を超えたあとの従量課金(オンデマンド)を使うかどうかを選べる

「浮いた時間」で見直すときの計算

ツールを続けるか迷ったら、「1時間を買うのにいくら払っているか」を計算すると判断しやすくなります。

1時間あたりの費用 = ツールの月額 ÷ 浮いた作業時間(時間)

例)月額5,000円のツールで、月10時間の作業が減った
  → 5,000円 ÷ 10時間 = 1時間あたり500円

自分の時給(または、その作業を人に頼んだときの費用)より安ければ、続ける価値があります。逆に、使っているのに時間が減っていないツールは、解約や見直しの候補です。

タクヤ

LayerXの例のように、最初から使用量を絞りすぎないのもポイントです。まず使ってみて、費用と効果の感覚がつかめてから、予算を調整するほうが成果につながりやすくなります。

Photo: stevepb / Pixabay

よくある質問

チームで利用額を公開すると、反発されませんか?

LayerXでは、目的を「査定ではなく、費用の感覚を持つこと」とはっきり示し、経営陣の分も同じように公開しています。いきなり個人名で公開するのが難しければ、まずはチーム全体の合計から共有するのも1つの方法です。

個人で使うだけでも、見える化は必要ですか?

従量課金や追加購入のあるツールを使っているなら、おすすめです。月額固定だけなら、年に数回見直す程度でも十分です。

記録が面倒で続きません

月末に5分、使用量の画面を見て合計を書き写すだけにしましょう。カレンダーに毎月のリマインダーを入れておくと続けやすくなります。

まとめ

LayerXは、社長を含む全社員のAI利用額を公開し、「回数」ではなく「費用」で見ることで、社員一人ひとりの判断力を育てています。個人やチームでも、使っているAIの書き出し、使用量の画面の確認、上限額の設定という3つの手順で、同じ考え方を取り入れられます。

まずは今月のカード明細を開いて、AIツールを全部書き出すところから始めてみてください。

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